株式会社フジみらい
SERVICE
橋守保全
社会インフラ施設の老朽化対策が国を挙げての課題となっています。特に地域や経済活動の基盤をなす道路、中でも橋梁は補修や架けかえに多大な費用を要するため効果的で持続可能な保全対策が待たれています。

多くの課題を抱えている市町村様の困りごとや課題解決のため、”地域の力”と”効果的な解決手法”を組み合わせた「橋守保全」による地域づくりを通して社会への貢献を目指しています。

橋守保全の必要性「事後保全」から「予防保全」への本格転換

高度成長期以降に整備された国内73万橋梁のうち、48万橋が市町村管理とされています。これらの橋梁点検は概ね計画通りに進捗してはいるものの、維持修繕を行うにあたり管理する橋梁の多さ担い手不足により日常管理が行き届いていないのが現状です。

国が掲げるインフラ長寿命化計画に基づき施設の不具合が生じてから対策を行う「事後保全」から施設に不具合が生じるまえに対策を行う「予防保全」への転換により、今後増加が見込まれる維持管理の縮減を図ることが重要となります。

<市町村が日常的な予防保全を行う上での課題>

① 管理する橋梁の多さ
② 予算不足
予防保全型予算が十分でなく、特に日常管理(橋守保全)としての予算がない。
③ 発注の仕組み
単発発注の軽微な保守作業は建設業者が受注しにくく、予防保全段階の損傷への対応が難しい。
④ 工法の確保
管理対象の支承周辺などに簡単、安全にアクセスして日常管理を行うための装具・工法が開発されていない。
⑤ 人材・実行体制の確保
橋梁管理に携わる土木技術者の不足。

「橋守保全の仕組み」の
ご提案
地域連携型サービスで地域づくりをしながら
地域の安全安心をつくる

行政から年間業務として一括発注された日常管理(橋守保全)を、橋守保全隊が簡易な装具を使用して、定期的かつ継続的に行います。

橋守保全隊が日常管理を行うメリット>

橋守保全隊を作り、隊を構成する地元住民地元建設業者建設コンサルタントが各々の特性を活かして連携し、地元雇用の確保や、地域づくりの中での安心、安全をはかることが期待できます。

<年間業務として発注>

これまで発注が難しいとされてきた橋梁単体での小規模維持管理について、これまでの発注の組み換えや台風などの災害対応など包括的民間委託として実施することによりライフサイクルコストの縮減や、地域の維持管理を継続的に実施できるようになります。


市町村橋梁の予防保全(橋守保全)の提案

「特許3工法と装具」 の
ご提案
支承部に焦点をあてた維持管理をするための装具と工法

これまでの橋梁点検の統計結果によると、橋梁の桁端部に損傷が多く発生していることがわかります。当社が開発した特許技術3工法と装具を使うことで、簡単で安全に支承周辺のメンテナンスが可能です。

安全かつ安価
通行者支障を来さない
ローテク人力による簡単操作で作業可能」

をコンセプトに装具と工法を開発しました。

<横移動梯子を用いた工法>

(1) 橋台部に移動横梯子をかけアンカ-で固定する汎用的な工法

梯子本体が10kg程度と軽く、簡単なロープワーク操作により1時間程度で設置可能です。河床に降りることなく設置でき主桁間の移動を容易にします。

特許第6592553号(横移動梯子工法)
橋梁構造物における橋梁内部への移動方法及びこれに用いる横移動用梯子
登録日 令和1年9月27日

<軽量吊り足場を用いた工法>

(2)-a 谷が深く河床利用難しい箇所に適する工法

両側の電動ホイスト操作で回転横移動させながら吊り上げ河床に降りることなく架設を行います。

特許第6344879号(軽量足場宙吊り架設工法)
橋梁構造物における吊足場の架設方法及び吊足場登録日
平成30年6月1日

(2)-b 河床平らな河川中流域などに適する工法

ユニック車で軽量足場を河床に降ろし、組み立てた後吊り上げ架設を行います。

工法(2)-aの特許工法と同等(軽量足場河床組立吊り上げ架設工法)

(3) 下流平坦地水面から架設する工法

フロート付き軽量足場をユニック車で水面におろし水上で連結後、ボートで現場に曳航し吊り上げ架設を行います。

特許第6018691号( 場水上架設工法)
橋梁構造物における吊足場の架設方法及びフロート付き吊足場
登録日 平成28年10月7日


橋守保全横移動梯子工法の紹介


橋守保全その他工法の紹介

期待される効果ライフサイクルコストの軽減と、橋守保全隊の有効活用

橋守保全の仕組みによる日常管理により期待される効果

現在実施できていない日常管理(橋守保全)の予算を予防保全の予算内に確保し、定期的に清掃や簡易補修をすることで、架け替えや大規模修繕が減少し、ライフサイクルコストのさらなる削減が期待できます。

<軽量吊り足場を用いた工法>

桁端部除土清掃と簡易な防錆塗装などの延命作業定期的に行います。

<その他期待される効果(橋守保全隊の有効活用)>

・「地域でできることは地域で」
地域連携型の仕組みの活動により、自分たちの地域を自分たちで守るという防災意識を持った地域づくりができます。
・道守、街守
橋守保全隊が道守・街守も包括的に行い、小型機械などを使用して側溝の土砂の撤去、道路の支障木の伐採等を行います。
・災害時の行政支援
台風、地震などの異常時には行政支援役割を担います。
・地元雇用の拡大
通年業務とすることで安定した保全体制を維持でき、災害時の復旧を担う地元建設業雇用確保が期待できます。

これまでの取り組みと実績実証実験・技術発表

< インフラメンテナンス国民会議 (会員)>

・H28.12.25 第一回インフラメンテナンス大賞応募
「インフラメンテナンス国民会議」は、社会全体でインフラメンテナンスに取り組む機運を高め、未来世代によりよいインフラを引き継ぐべく、産学官民が有する技術や知恵を総動員するためのプラットフォームです。
このインフラメンテナンス国民会議が主催するH28インフラメンテナンス大賞に応募し、市町村インフラメンテナンスに関する提案をしました。
出典:インフラメンテナンス国民会議ホームぺージ
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/im/index.html

< 徳島大学との連携 >

・H29 神山町にて実証実験(1工法3橋)
・H30 神山町・佐那河内村・徳島市・徳島県の協力で実証実験 (3工法9橋)
足場を架設する4工法を開発し、自治体の協力を得て徳島大学と実証実験を行い、合計 4工法12橋の 架設工法と 橋守作業 (主に除土洗浄) の 実証実験のデータ(作業性と安全性の確認と 作業工数の 実証データ)を得ました。
・R1.7.25 国土交通省四国地方整備局主催「技術・業務研究発表会」
徳島大学との共同研究で得られた実証実験のデータと橋守保全の提案「市町村橋梁の橋守予防保全の実証実験ならびにその歩掛評価」を発表しました。
・R1.10.29 徳島県県土整備局・公益財団法人建設技術センター主催の「土木技術・業務発表会」
共同研究内容である「新しい橋守予防保全の提案と 点検・清掃用簡易足場の実証実験」を発表しました。

< その他の技術発表 >

・R3.5.17 第五回インフラメンテナンス大賞応募
・R3.10.18~10.22 徳島ビジネスチャレンジメッセ 2021オンライン出展
・R3.11.26 インフラメンテナンス国民会議四国地方フォーラム発表

< 今後の予定 >

・NETIS登録を進め、業者、発注者からの信頼性向上を図ります。
・発注者のニーズを踏まえながら実証実験を重ね、工法の改良を行います。
・各自治体の課題を把握し、橋守保全を活用し他の役割も包括的に含めた
 より効果的な維持保全の仕組みを検討します。
・国や県の行政機関や建設業などに広く理解と協力を求め、
 橋守保全の仕組みの制度化と、予算化に向けた働きかけを行ってまいります。